かつてニホンオオカミは日本の、本州、四国、九州の山に数多く生息していました。大きさは1mほどで中型の日本犬ほどの大きさでした。犬との違いは横顔で区別できます。犬は頭から鼻にかけてくぼみがあるのに対して、ニホンオオカミはそれが平らです。
日本人とオオカミは古来から深い関係をもっていました。西洋では家畜を襲うオオカミを害獣扱いされていたが、日本で畑を荒らすシカやイノシシを退治してくれるオオカミは農民にとって守り神の存在でした。事実神社にはオオカミを祭っていることが多いです。
ニホンオオカミの生態については不明な点が多く古い文献や世間一般に伝わっている話などから推測するしかありません。
それによると、ニホンオオカミは夜だけでなく、昼間も活動し、2~10頭くらいの小さな群れをつくっていました。獲物はシカで弱ったものや、年老いたものを中心に襲い食べていました。時には人里まで降りてきて、飼い犬を襲うこともありました。
ニホンオオカミは山麓に広がるススキの原などにある岩穴を巣とし、そこで毎年2~3頭の子を生むが、獲物のシカの数で変化していたといいます。
体の毛は冬と夏でそれぞれ目立たないような毛色に変化させていました。
ニホンオオカミの遠吠えはオス、メスとも「ウォーン!」と唸るように鳴き、近距離だと障子などを震わせました。その声はきわめて恐ろしかったと言います。
ニホンオオカミの絶滅に関しての決定的な要因ははっきりわかっていません。
原因として考えられるのは1つ目としてまず、1732年以降に海外から狂犬病が進入したことで日本人のオオカミに他するイメージが変わってしまいま した。ニホンオオカミは猛獣と化し、人々を襲うようになり、噛まれた人はほぼ100%発病し、発病すると死をまぬかれることはありませんでした。そして人々はニホンオオカミを害獣とし、次々と鉄砲で撃ち殺しました。
2つ目として明治以降の開発進行により、山林は切り開かれ、ニホンオオカミの生息地を奪っていきました。獲物の数も減り、ニホンオオカミは減少していきました。
3つ目として外来の犬が持ち込んだ犬の伝染病「ジステンバー病」の流行です。群れで生活していたのでまたたくまに伝染病は広まりました。ニホンオオ カミはジステンバー病に対してとても抵抗力が弱く、1900年頃にはニホンオオカミの死体や病気で弱っている姿をたびたび見かけたと語られています。
そしてニホンオオカミは1905年に絶滅したとされました。その後も目撃情報はあったが野生化した犬との区別が難しく、その多くは誤認であったと考えられます。

ニホンオオカミ
